住宅ローンと住宅火災保険についてお話したいと思います。
新築住宅や中古住宅を購入する際に、現金で購入資金を準備できればそれに越したことはないのですが、ほとんどの場合は住宅ローンを組みます。
住宅ローンの審査は結構厳しく、サラリーマンで会社に勤めてから1年未満であったり、
過去にクレジットカードの利用額引き去りが滞ったりした人はローンを組むことが難しかったりします。
お金を貸す側の金融機関としても、きっちり返済してくれれば問題なのですが、返済できない確率が高い人にはお金を貸したくないというのは当然のことでしょう。
住宅ローンでお金を貸す側の気持ち
金融機関としては、利息をきっちり支払ってくれて、20年や30年といったローン期間に
きっちりとお金を完済してくれる人に お金を貸したいものです。
お金を貸す側として最も嫌なことは、借りた人がお金を返せなくなることです。
ですから、そのリスクをできるだけ少なくする必要があります。
返せない確率が高い人を排除したら、今度は突発的なことでお金を返してもらえなくなるリスクは保険で補おうということになります。
保険でできるリスクヘッジ
万一、借りた人が亡くなってしまった場合には「団体信用生命保険」という、
生命保険でローンの残高分を返済できるようにします。
もう一つは、住宅が火災で燃えてしまったことが原因でお金が返せなくなってしまうことです。
仮に、2000万円の住宅ローンで購入した住宅が火災で全焼したとします。
家が消失してしまったとは言え、残高が消えるわけではありません。
この人は月々のローン返済分とは別に、賃貸住宅へ移るか、
もう一度住宅ローンを組んで家を購入するかになります。
焼失した家の分と新しい家の分の両方の費用がかかります。
余裕がある家庭なら良いのですが、ぎりぎりで家計を回していた場合には立ち行かなくなります。
そうなると当然のことながら、ローン返済もままならなくなります。
そんなことを避けるために、金融機関としては住宅の火災保険への加入を義務付けているところが多くあります。
少し前まではこれは必須でした。
火災保険に質権を付けることも一般的でした。
火災保険は必須ではなくなりつつあるけれど・・・
しかし、近年ではかなり緩くなってきています。
- ローン期間にあわせた保険加入は必須で、質権設定も必須
- ローン期間にあわせた保険に加入していればOK、質権設定は必要なし
- 保険に加入していなくてもOK
このような流れになってきていますが、現在最も多いのは「2」のパターンです。
質権設定が必ず必要だった時代には、金融機関が優先して火災保険の保険金を受取るという
趣旨があったのですが、現在は少し変わってきました。
今は、借りた人が万一火災にあった場合でも自己破産せずに住宅ローンを完済できるようにと
意味合いになってきたようですね。
「3」の場合も増えてきてはいるのですが、やはりご自身のリスクヘッジのために、
長期の火災保険に加入しておくことをおすすめします。
以上が、住宅ローンに火災保険が必須となる理由です。