火災保険を掛ける際に「質権設定」をすることを
住宅ローンを組む金融機関さんから依頼されることがあります。
最近ではこの設定をすることはかなり少なくなりましたが、
信用金庫など一部の金融機関ではこれを求められることがあります。
火災保険の質権設定とは
これは保険を「質」に入れると考えるとわかりやすいと思います。
万一、火災などの損害が出た場合に金融機関が優先的に保険金を受取れるようにするものです。
ですから、この仕組みがあると、万一火災が起きて全焼してしまっても、金融機関は住宅ローンの残金を回収できるというわけです。
その前提で住宅ローンでお金を貸してくれるのです。
この場合、金融機関を「質権者」と呼びます。
まずは質権者に受取る権利がある
事故が起きて保険金を請求すするのは契約者ですが、
支払いの前には必ず質権者の承認が必要になります。
ここで、質権者である金融機関が 「その保険金はこちらにください」と言うと、
優先的に支払われることになります。
しかし、金融機関側が想定しているのは全焼してしまったりして、
契約者に返済能力がなくなってしまった場合を想定しています。
ですから、風災でベランダが壊れたり、盗難で窓ガラスを割られたりしたような軽微なものに関しては
質権者である金融機関も契約者に保険金を支払うことを了承してくれます。
でも、一応は質権者にお伺いを立てて、書類に捺印をもらい、
「契約者に保険金を支払ってもいいですよ」
と許可を取らなければ保険会社は契約者に支払いはできません。
そういった一手間がかかるので、若干ですが支払いに時間がかかってしまいますので注意が必要です。
これは金融機関の担当者によるのですが、非常に対応が遅いところもあります。
保険会社は早く支払いたいのに、担当者がなかなか対応してくれないと困りものです。
長期契約も1年更新も更新時には必ず取り付けが必要です
住宅ローン期間に合わせて長期契約の住宅保険に加入する必要があるのですが、
たまに1年更新の火災保険でも大丈夫なケースもあります。
そんな場合は、更新の都度、質権設定をする必要があります。
5年くらい前まではどこの金融機関でもこの設定が必要でした。
近年少なくなってきているというのは、あまり火災保険で住宅ローンの返済をすることが
なかったからでないかと推測できます。
最近は少なくなってきている火災保険の質権設定ですが、まだ必要な金融機関もあるので、火災保険の契約の際には質権設定の有無を確認しておきましょう。