よく火災保険で言われるのですが、
「火事になって、柱が一本だけ残っていたから保険が支払われなかった」
というお話を良く聞きます。
こんなことは現在ではありえません。
昔でもありえなかったと思います。
現在の保険の支払いで言うと、柱一本が残っていたとしても住める状況ではありませんので、全損の扱いになります。
例えば、2000万円の新価払(再調達価格)で設定していた場合なら、2000万円支払われます。
全損は通常80%以上の損害か、修理代が保険金額を超えてしまうときなどに適用されます。
では、なぜこのようなお話が出来上がってしまったのかは定かではありませんが、
予想されるのは次のような可能性ですね。
火災保険で柱一本残ったら・・・の理由
- 戦後間もないころ、資材などが不足していたため、木の柱などが残っていればそれを売却することによりお金を得ることができた。 なので、その分を差引いて保険金が支払われた。
- 建物の構造を間違って設定していたため保険金が支払われず、担当者が言い訳に使った。
- 実は保険がかかっていなかった?
「1」は確かに戦後間もないころ、物が不足していた時代には実際にあった話と聞きます。
例えば、火災で燃えて仮に木製の柱やトタンなどが焼け残った場合です。
柱などは燃料不足の折には薪として使えますし、トタンは再利用が可能です。
そんな時代背景があります。
現在では売却できるどころか、逆に廃棄代が掛かってしまうのでこのようなことはありません。
考えられる可能性として一番高いのは「2」「3」のケースです。
あまり考えたくはないのですが、構造級別を間違えて掛けていたり、
保険代理店の故意かミスで保険が掛かっていない状態になっていてい、
支払うことができない状況がありえます。
それで、ありえない理由を付けて契約者を納得させたのではないかと個人的には考えています。
こんな理由で契約者が納得したかどうかも怪しいです。
今ならインターネットなどで情報がたくさんあるので通らない理由だと思います。
これはあくまでも私の予想なのですが、当たらずも遠からじといったところでしょう。
今はそんなことはありませんのでご安心ください。
いろんなお客様からそのように質問されましたが、未だにそのような噂がはびこっているのだなあと、
逆に感心してしまいます。
火災保険の「柱一本伝説」についてお話しました。