新築住宅の火災保険の保険金額(補償金額)を設定する具体的な方法をご紹介します。
住宅火災保険の保険金額は再調達価格で
近年の火災保険は新価(再調達価格)で設定するのが一般的です。
住宅物件で時価額評価をすることはまずないと言って良いと思います。
通常、建築価格がわかっている場合には「年次別指数法」という評価方法を使います。
建築価格 × 建築費の年次別指数 = 再調達価格
このような計算式を使います。
(*年次別指数は建築された年数や物価の変動などから試算される指数)
しかし、新築なのでそもそも年次別指数は「1」なので、
新築価格 × 1 =新築価格
で、結局は建築価格が再調達価格ということになります。
火災保険の保険金額に含められる範囲
新築住宅に火災保険を掛ける場合には建築費等がそのまま再調達価格となるので、
保険金額を設定するのに悩むことはありません。
気にしないといけないのは「どのあたりまで建築費に含めるか?」ということです。
一般的に、建築費といってもいろいろなものがあります。
【火災保険で建物の価格に含まれるもの】
保険上は下記のものが含まれます。
- 内装
- 外装
- 据え付けの照明器具やエアコン
- システムキッチン
- カーポートやガレージ
- 門・塀・垣など
- 小さな物置
- 太陽光発電設備
住宅保険ではこれらはすべて建物の扱いになります。
また、上記のものを含めようと思うと、
【万一のときはすべてが補償される】 = 【保険金額に含める必要がある】
これが再調達価格の正しい取り方です。
【設定例】
- 建物価格(内外装込み) 2000万円
- 照明器具・エアコン 100万円
- システムキッチン 100万円
- カーポート 100万円
- 門・塀 100万円
- 物置 50万円
- 太陽光発電 250万円
- 【合計】 2700万円
この例では、この金額で設定するのが正しい形です。
実際は請負契約書の金額であったり、だいたいの建築費用を契約者でざっくりと計算して
保険金額を出されていることが多いと思います。
ただし、カーポートや門・塀などを外すこともできますので、
その場合は設定する金額は下がります。
また、再調達価格の場合は全焼したら設定した金額支払われることになりますので、
2000万円で設定しておいても大丈夫ではないかと思います。
正しい形とイレギュラーな形といろいろと掛け方はあります。
このあたりは、実際に見積りする段階のお話になるので、
見積りを依頼する保険代理店や保険会社へ確認するようにしてください。
以上が、火災保険の保険金額の設定方法です。